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Old Saltの日々雑感

日々雑感的に思うところを小さなウソと大きな誇張でデフォルメして掲載中!

アラジンの魔法瓶  




道具へのこだわり




魔法瓶である。
メーカーの名はアラジン。つまりアラジンの魔法…瓶なのである。
由緒正しい初期の頃の魔法瓶だといえば、お肌の曲がり角を2つ3つ行き過ごした方なら「あれか!」と思うはずだ。そう、その「あれ」である。

現在のような容器の部分がステンレス製の魔法瓶ではなくて、水銀で鏡面処理をした2重の真空構造ガラスの魔法瓶なのである。
この魔法瓶が登場するまでの携帯飲料用容器といえば、普通の水筒だったという。そして水筒の蓋部分にはなぜか、ボタン電池ほどの小さな磁石(コンパス)が付いていたのだそうだ。プラスチックの小皿1枚が、マイセンのカップ&ソーサーセットよりも高価な時代だったから、水筒の材質はアルマイトというアルミニュームの加工品かブリキ製だったそうだ。それでも高級品の部類であって、一般家庭は瓢箪や竹筒を容器にしていたそうである。そうだとかそうであると書いているのは、今は亡き父がそう言っていたのである。父はあまり正直者ではなかったので真偽のほどは確かではないから、信じる信じないは読者の判断におまかせしたい。

このように、昔の水筒は普通の容器だから保冷や保温効果はない。だから携帯用飲料水は、熱くもなければ冷たくもない、ぬるいものと決まっていたのである。それが社会通念上の常識であったのだ。
その常識をうち破ったのが魔法瓶なのであった。電気もガスも石炭もガソリンも使わない。それなのにアラ不思議、熱い湯を入れておくといつまでも熱いのだ。冷たいものを入れておくといつまでも冷たいのである。電話線を通じて病気が伝染する信じられて時代である。テレビになぜ画面が出るのか、新幹線がどうして馬よりも早く走れるのかといった驚愕の出来事に等しい容器の登場であったのだ。

これを魔法と言わずして何といおう。この容器を発明した人もきっとそう思ったのである。だから名前を

「魔法瓶にしよう!」

と決めたのだ。さらにこの発明者。きっと洒落者だったのだ。ユーモアを解する人でもあった。ただの魔法瓶では面白くない。よし、会社を作ってやろうと考えた。(に違いない)
その社名がアラジンである。

アラジンの魔法瓶。

なんと響きのよい名称であることか。

日本国内の魔法瓶はというと、ご存じ、象印とタイガーである。共に同じ時期(大正)に大阪で誕生した。当初は象印と虎印であった。なぜ動物の名前なのかは知らないが、たぶん、強そうだからではないかと思う。大阪人の発想はこんな感じで単純なのである。
その2社。現在は、象印は象印が漢字なので象印魔法瓶株式会社ではイメージが固い。そこで象印マホービン株式会社になった。一方の雄の虎はタイガーになった。だが、タイガーマホービンではピンとこなし締りがない。そこでタイガー魔法瓶株式会社となったわけである。
資本金40億の象印と8000万のタイガー。象とタイガーの漢字とローマ字対決は象の勝ちである。巨人とタイガース、こっちも漢字の巨人の圧勝である。

写真は僕が愛用している魔法瓶だ。
小さい方はコーヒーを入れてPCの横に置いたりする。大きい方はウインブルドンでテニスを観戦するときやアメリカスカップ(ヨットレース)の観戦や、北極でオーロラ鑑賞するとき、杉良太郎ショーやこまどり姉妹ショーの観劇のときなどに、やはりコーヒーを入れて持参するのである。

まあとにかく、保温力が抜群なのである。また、熱いコーヒーや紅茶を入れておくと時間が経つにつれて味が劣化するが、ステンの容器にくらべると味の劣化も遅い。ガラス容器なので匂いは着きにくいから前回の飲み物の味が混ざることがない。
大阪でヨットに乗っていた頃はセーリング中の船上でギンギンに冷やしたマティニーを飲んだものだが、揺れる船上で作るのは面倒なので出航前に作って魔法瓶に詰めていた。マティニーはベルモット数滴で味が変わってしまう繊細なカクテルなので、雑味が混じらないガラス製の魔法瓶はとても具合が良かったのだ。

欠点は、割れやすいこと。柱の角などに少し強くぶつけるとガシャ。コーヒーや紅茶やカクテルがダーである。悲しい思いをする。あ~あと溜息をついた後で、ガラス容器を買い求めに出かけたものだ。

割れやすい、あるいは壊れやすい。道具とはそういうものなのだと思う。雑に、無頓着に扱うと道具からしっぺ返しを喰う。道具と対峙して、「さて、どういうシーンで使ってやろうかしら」などと思っていると、道具もその思いに応えてくれる。せっかくいい道具を買っても、壊れるのがイヤ、汚れるのはイヤと飾っておいたのでは道具が可哀相である。
主人は道具を選べるが、道具は主人を選べない。いい道具ほど使って欲しがっていると、主人は肝に命じておかねばならない。

写真のアラジンの魔法瓶は30年以上も前に買ったもの。何度ガラス容器を交換したことか。
僕にとっては、愛着一入(ひとしお)どころか、百入(ももしお)千入(ちしお)の魔法瓶なのである。


コメント

うちにも子供の頃コレありましたよ~


懐かしいですねぇ。


子供の頃コップの縁を噛む癖があって、この魔法瓶のコップも噛んでガタガタ・・・

よく怒られていた思い出があります^^

ゆっきー♂☆ #- | URL
2012/09/12 17:32 | edit

ゆっきーさん

>よく怒られていた思い出があります^^

親父さんに?
今はよく面倒を見ておられますね。
孝行ぶりにいつも感服しています。

たかのつめ #- | URL
2012/09/13 10:13 | edit

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# | 
2018/10/18 15:48 | edit

Re: ガラス 中瓶の交換

> はじめまして。
>
> 私もとても気に入って毎日愛用していたのですが、今日落としてしまい、中瓶が粉々に割れてしまいました。
>
> 写真左とほぼ同じでコップの持ち手部分が塞がっているデザインです。
>
> 同じものを購入しようと、オークション、フリマアプリを探し回りましたがありません。
>
> そこで中を交換できれば、と思い、この記事を見つけました。
>
> ガラス交換を何度もされたとの事。
>
> 中瓶は今でも購入できますでしょうか?
> よろしければ購入先を教えて頂けないでしょうか?
>
> 公開コメントでできなかったので、メールアドレス入れて秘密コメントで送ってみます。

たかのつめ #- | URL
2018/10/19 21:15 | edit

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