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Old Saltの日々雑感

日々雑感的に思うところを小さなウソと大きな誇張でデフォルメして掲載中!

思い出のカレーライス完結編  






思い出のカレーライス完結編


さて、そのニューダルニーのカレー。お味の方はどうだったのでしょうか。
結論から先に書きましょう。

不味かったです!

ネットではたくさんの人がニューダルニーのカレーを褒めていました。僕はお店紹介やグルメ案内を信じない方ですが、ことダルニーに関しては元祖の味を知っていますから、食べた人たちの感想を素直に信じたのでした。けれども、信じた僕が馬鹿でした。彼らはおよそグルメとは無縁の舌の持ち主ばかりだったのです。

店内に一歩足を踏み入れた時点で「不味いかも」という予感がいたしました。元祖ダルニーと同じようにカウンターだけの店なのですが、ダルニーがシンプルで清潔な店であったのに対し、ニューダルニーの店内は雑然としていたからです。とても同じ思想を受け継いだ店とは思えなかったのでした。壁に貼りつけられたメニューを見て、その思いをいっそう強いものにしたのでした。

エビカツカレーと大書きされた札が貼られているではないですか。カツカレーというのも貼られています。まあこれは百歩ほど譲って許すとしましょう。けれども、「カレーうどん」は許せんぞ。大阪市長が許しても僕は絶対に許しません。
なにかい。カレー屋だったらカレーとつけば何でも許されるのか?
カレーパンもOKなのか?
カレー風味のポテトチップもありか?
カレー味のイカの燻製も
カレー味の肉まんも
カレイの煮付けも売っていいのか!!
それじゃあダルニーじゃなくて、ダルイだろ。ダルすぎるでしょ!!!

カレールーも不味ければご飯も不味かったのでした。米が安物。炊き方もなってません。ダルニーのご飯は硬めに炊きあげてあったのです。さらっとしたルーに硬めのご飯。それがダルニーのカレーでした。その、ダルニーのカレーかくあるべしという哲学を学んだ形跡がどこにも見られないのでありました。
こんな素人以下のカレーを売って「カレーの店」はないやろと思ったのでありました。

そういうことをぐっと堪えて、年の頃なら43~45歳。化粧と今風の顔立ちとヘアスタイルからそう見えるのであって、実質は53歳ぐらいの店主の嫁風の女に「阿倍野にあったダルニーと関係があるのですか?」と尋ねてみたのでありました。
するとその女は「あらっ。あっちの店をご存知なのですね。えっ、ええ、親戚筋になります」と答えたのでした。丁度そのとき、年の頃なら37~42歳ぐらいの店主とおぼしき男の、カレー皿にメシを盛る手が、瞬間止まったのでありました。

「味が変わりましたね」と僕が言うと、「そうですか」と答えた女の目線が僕から外れ、と同時に男の顔も若干他所を向いたのを僕は見逃しませんでした。
この店は、ダルニーとはまったく何の関係もない店なのだ。そうに違いないと僕は確信したのでした。そもそも親戚ではなく、親戚筋という言い方がおかしい。

親戚もしくは親族というのは、ざっと25等親ぐらいあるのだ。祖父母のイトコとかイトコ大叔父大叔母の孫あたりが最も遠い。この辺りの親戚だと天体でいう海王星・冥王星ほども遠い。親戚や親族でこれなのだ。筋はその系列ということだから、全くの他人であってもおかしくなほどのスジもある。

今回は、目を泳せながら「・・親戚筋なんです」と言った。
この場合の「筋」は、普段は大字(おおあざ)田舎字(あざ)田舎といった人口数百人の小さな村で、一人細々と畑を耕している親父が年に1度の村祭りに子供会の御輿の先導をして、ふるまわれた御神酒に上機嫌になって、村の若衆に「オレはよ、こう見えてもよ、△△(広域暴力団)の、筋にあたるのよ」というのと同じほどの無関係な遠さだ。

ではご期待の、ダルニー物語完結編をどうぞ。もちろん、フィクションでございます。

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昔、男は阿倍野筋3丁目5-2-203に住んでいたのです。ご存知の方はご存知のように203というのは部屋の号数です。2階の3号室ですね。住所を正確に書くと、大阪市阿倍野区阿倍野筋3丁目5番地の2 アベノ寿ハイツ203号室です。名前は山内吉男と言います。
山内は高校を卒業して18歳の時に福井県から大阪に出て来てとんかつのKYKに調理師見習いで入社したのでした。将来は国に帰ってとんかつ屋を開くのが夢だったのです。ところが、料理の感性が今一つ鈍感なことに気づきます。早く言えば下手なのです。それでも我慢し勤め続けて10年経ちました。料理は下手のままでしたがカツを揚げる腕は上達しました。
そんなある日のことでした。アベノ近鉄百貨店前の旭町通りの路地を入ったすぐのところにあるキャバクラ「フェアリー」に同僚と入ったのでした。ここで運命的な出会いをするのです。それが今の嫁、美樹という源氏名で出ていた吉岡公子だったのでした。山内は自分よりも年下だと思っていたのですが実際は12歳年上だったのでした。縁とは不思議なもので公子も福井の出身だったのです。そんなわけで二人は付き合うようになります。そして小さくてもいいから店を持ちたいと夢を語り合っていたのでした。その店は当然トンカツ屋のはずが、そうではなかったのでした。

毎日800枚のトンカツを揚げていた山内は、とっくにトンカツに飽いてしまっていたのでした。トンカツ屋よりも休みの時によく行っていた近くのダルニーのようなカレー屋をやりたいと思っていたのです。
そんな矢先、ダルニーの親父が急死します。前回の物語では親父には息子がいましたが、今回の親父には息子がいません。親父はカレー探求に熱心すぎて婚期を逸し妻も子供いませんでした。身寄りすらいなかったのです。そういう事情を知っていた山内吉男は、「よし俺がダルニーを継いでやる」と勝手に決めてしまったのです。たかがカレーじゃないか、俺でも作れると過信したのですね。

屋号は「ニューダルニー」です。
ダルニーの味を残そうという熱意は買えます。けれども、それがいい迷惑ということもあるのです。人間、熱意だけで満願成就するのなら、焼き芋やの親父は皆出世します。湯たんぽがホームセンターで350円で叩き売りされることもないのです。熱意も大事ですが能力はもっと大切です。そのことに山内は今も気づいていないわけですね。
もしかして、ニューダルニーの嫁の「親戚筋です」というのは、ダルニーの味とは親戚筋ほども遠い味という意味だったのでしょうか。

〔 完 〕

前編(青春編)はコチ<ラ



コメント

昭和37年から41年まで天王寺駅前から北畠の住吉高校へ上町線で通学していました。月に一回ぐらいのペースで土曜日の帰りに阿倍野筋の中道で降りて『ダルニー』のカレーを食べるのが贅沢の一つでした。(後は近鉄百貨店の銀座アスターの五目焼きそばやの餃子など)
郷愁の味を求めてインターネットで探すと、黒門の「ニューダルニー」が親戚筋とか後継とか同じ味を守り抜いているとかの書き込みがあり、名古屋から6月9日に出掛けました。
47,8年振りに巡りあえるカレーを楽しみに・・・。
結果は「たかのつめ」さん一人がコメントされているように似ても似つかぬ最悪のカレーで、無言で店を出ました。
なんで皆さん方はうそを言うのでしょうか?
『ダルニー』さんに失礼ではありませんか。名誉のために言いますが、「ニューダルニー」は『ダルニー』とは全くの別物です。

オカザキ #- | URL
2012/06/12 15:17 | edit

オカザキさん

ようこそ。
僕のコメントというのは日記の「思い出のカレーライス青春編」のことでしょうか。
ニューダルニーのインチキさ加減を創作的に書かしていただいてますが。(笑)

名古屋にお住まいだそうですが、僕は愛知の西三河です。
ニューダルニーは僕もネットで見つけて黒門まで行ったのです。
ダルニーへの思い入れが有り過ぎた分を差し引いても、
ニューダルニーのカレーは最悪でした。

住吉高校。たしかハイレベルな高校でしたね。僕は松虫中学でした。
銀座アスターの五目焼きそばにの餃子。涙がこぼれそうなほど懐かしい名前です。
の餃子は大好物でした。阿倍野界隈ににはの店が何店もありましたよね。

ダルニーのカレー。もう一度食べたいですよねー。

旧友に邂逅したような嬉しいコメントでした。
ぜひまたお越しください。

たかのつめ #- | URL
2012/06/12 19:52 | edit

初めまして、「ダルニー」で検索してここにたどり着きました。
1975年~1977年くらいによくいったお店です。
メニューはカレーライスと焼き飯だけで、
どちらも、すごくおいしかった!
女性2人で切り盛りされていたように記憶しております。
もう一度食べたいです。
懐かしい話題をありがとうございます。

ひろみちゃん #- | URL
2014/04/21 19:17 | edit

ひろみ さん

私と同年代かと思いましたが、
焼き飯はなかったし女性二人でもなかったので、
世代が違うのでしょうね。

でも、ダルニーが懐かしい思い出、というところは同じ。
昔のあの辺り情景も目に浮かびますね。

僕の方こそ、コメントをありがとうございました。



たかのつめ #- | URL
2014/04/22 11:35 | edit

疑問

関係あるのですか?親戚筋です。この会話と味だけで判断された記事ですか? 私は正直当時幼少で祖母宅の表通りにあるカレー屋に帰省のついでに父のお気に入りで立ち寄る店であり、子供心に辛いだけのカレーというイメージしかなく中学高校に上がるにつれ美味しいなとは思った記憶しかありません。それも20年以上も昔の話でもう味はまったく覚えていませんから比較する事が出来ないでいます。グルメぶるつもりはありませんがそこまで今の店が不味いとは思いませんし、父にも食べさせたいなぁと話題に出来る店なので正直この記事はショックでした。で、本題ですが上記一言会話と味だけで書いた記事ですか?しっかり店主に取材して確認した記事ですか?もちろんフィクションの物語の話の事は関係無しです、それは創作でしょうから問題ないです。記事自体の話をしています。しっかりした取材無しで書いたとしたら逆にあなたの行為はニューダルニーにとって失礼な話ではないでしょうか? もし取材しての確証のある記事であったならお詫びします。すいませんでした。

ふー #y17QguAo | URL
2016/10/21 12:57 | edit

ふーさん

しっかりと取材をしています。
店内の様子、掃除は行き届いているか、トイレは綺麗で芳香剤を置いていないか、器、テーブルや椅子、料理や準備をしている夫婦の服装や姿や立ち振る舞い、カレールウを器に盛るまでの流れなどなどをチェックしています。
そして親子4人がそれそれ異なるカレーを注文し食しています。不味くて食べ残しましたがしっかり食べました。
実際に提供された料理を食べる。これ以上のしっかりした取材方法が他にありますか?あれば教えてください。

本文にも書いたようにニューダルニーのカレーはダルニーとは無縁のカレーです。

あなたはダルニーの屋号の由来をご存じでしょうか。ダルニーは中国の大連市のロシア読みなんです。いや逆でした。旧帝政ロシア時代にロシアが中国から租借した土地をダルニー(ロシアから遙かな東の地という意味だったと思う)と名付けました。日清・日露戦争以降に日本の租借地になり、日本がダルニーを漢字に置き換え大連としました。多くの日本人が移住しました。
大連はアカシアの並木が美しい瀟洒な町で、ダルニーの店主は第二次大戦の敗戦後に強制引き揚げで日本に戻って来たのものと思われます。大連を懐かしむ引き揚げ者が多かったようで、作家の清岡卓行もその一人で、大連を懐かしみ「アカシヤの大連」を書き芥川賞を受賞しています。
大連は店主の生まれ育った故郷なんですね。それを懐かしみ、屋号を大連ではなくカレー屋っぽくロシア語のダルニーにしたのです。
以上は私が文献を漁って知った資料を元に推理したものですが、おそらく大きくは間違っていないという確信があります。

ダルニーという名はカレーに関係が有りそうなイメージですがカレーとはまったく関係の無い屋号だということです。普通の人はまず思いも付かない屋号ですから、ニューダルニーと聞けば、かつてのダルニーを知っている客全員がニューダルニーの店主とダルニーの店主は親戚かもしくは暖簾分けされたと思うはずです。
僕が恐れているのはダルニーの風聞を聞いた今の人たちがニューダルニーのカレーをダルニーのカレーと思うことです。味も何もかもが、まったく別物なんですね。

一度、ニューダルニーの店主に素知らぬ顔をして屋号の由来や意味を尋ねてみてください。たぶん、答えられないと思います。ダルニーで修行したこともないはずです。昔、ダルニーでカレーを食べたことがあり、その名を拝借したというのが実情だと思います。

機会があれば業務スーパーでレトルトの「おとなの大盛りカレー(4パック入り390円だったかな)」を硬めに炊いたご飯で食べてみてください。ニューダルニーのカレーがカレー専門店の商品として通用するレベルではないことが分かるはずです。つまり、レトルトカレーの方が美味い。ちなみのこのレトルトカレーは多くのレストランに卸しているカレーと同じものです。

「しっかり店主に取材して確認した記事ですか?(中略)しっかりした取材無しで書いたとしたら逆にあなたの行為はニューダルニーにとって失礼な話ではないでしょうか?」という質問は愚問です。

ミシュランガイドが、事前に店に取材連絡をしたり店主の取材をしていますか?

ニューダルニーの名は、十両になる力も無い力士が超大鵬を名乗るようもの。ダルニーと似ても似つかぬカレーを作りダルニーの名で売る行為こそ失礼というものでしょう。

味覚は千差万別ですから「今の店が不味いとは思いませんし、父にも食べさせたいなぁと話題に出来る店なので正直この記事はショックでした。」というあなたの舌に私がとやかく言う資格はありません。ただし、ダルニーの名を冠せない普通のカレー店に対する評価なら。の味としてなら。
ニューダルニーのカレーは、あなたには父上に食べさせたいほどのカレーなのに、なぜ、「不味いと思わない」程度の味なのでしょう。なぜ「美味い」と書けないのでしょう。
「不味いと思わない」は、「(美味くは無いけど)不味いとも思わない」時に使う表現です。その程度のカレーをあえて家族に食べさせたいとは、僕は思いません。
キツい書き方をしていますが、決してあなたを批判しているのではありません。ダルニーのカレーが現存していれば食べ比べてもらえれば僕が伝えたいことが理解してもらえるのにという忸怩たる思いが厳しい書き方になっています。その点をご理解ください。

最後に、コメントを頂きとても嬉しく思っています。
フィクションの部分は面白かったでしょ(笑)

たかのつめ #m5nORXto | URL
2016/10/22 09:23 | edit

ありがとうございました

お忙しい中、かなりの長文の説明ありがとうございました。取材の結果として胸を張ってここまで赤の他人の私に断言されるのであればそうなのでしょう。わかりました。私は本当の事が知りたかっただけなのです。私ももう行く事はないでしょうねw

ふー #y17QguAo | URL
2016/10/23 11:14 | edit

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2019/02/23 13:12 | edit

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