FC2ブログ

Old Saltyの日々雑感

日々雑感的に思うところを小さなウソと大きな誇張でデフォルメして掲載中!

人民の・・・  




人民の・・・


ベータ方式のビデオテープの生産が中止された。
デッキ本体は2002年に生産を終えていたが、テープはなお13年間作り続けられてきた。
昨年の生産本数は400本だったそうだ。ずいぶん長い採算度外視のユーザーサービスであった。

ベータマックス方式とVHS方式。平成世代には何のことやらさっぱり分からないかも知れないが、TVの録画再生方式のことだ。PCに例えればwindowsとMacのOSの違いのようなもの、か。

SONYが開発したベータマックス方式とビクターが開発したVHS方式。
個人的には、高画質でコンパクト、デザイン的にも優れていたベーターが好みだった。操作もベータの機器の方が簡単だったと記憶している。ベータ方式の方が先に開発されたこともあり、レンタルビデオ店には当初はベータのテープだけが並んでいた。やがてVHS方式のビデオが並ぶようになり、急速にVHSテープのレンタルビデオが増え続け比率は逆転する。

いくら高画質でコンパクトで操作性が優れたベータ方式のデッキもレンタルビデオが無ければ値打ちは半減する。レンタルビデオを観るためにはVHSデッキを買わなければならなくなる。しかたなく僕も、TV番組の録画用にベータ、レンタルビデオ用にVHSと2台のデッキを所有し使い分けていた。
ベータ方式のデッキがVHS方式に劣っていた唯一の機能は録画時間だった。ベータは最大120分だったがVHSは最大210分だった。この点を除けば圧倒的にベータ方式の方が優れていたと思う。

機能やデザインや操作性に優れていたベータがなぜVHSとの市場競争に敗れてしまったのか。
松下電器(現:パナソニック)がVHS方式を採用したからである。VHS方式の方が部品も少なく構造も簡単でコストを抑え量産が可能。安く消費者に提供できるというのがその理由だった。だが本音は、SONYが開発した方式に追随したくなかったというとこにあったと思う。

当時、SONYのカラーTVは1ガン3ビームのトリニトロン方式という他社にない画期的なブラウン管で、鮮明で歪が少なく部屋の照明等が画面に映り込みにくいという特徴があった。これが欧米からも高い評価を得ていた。しかもTV分野でSONYは後発だった。松下はパナカラー、日立はキドカラーと銘打って自社製品の特徴を謳ったがトリニトロン方式を凌駕するものではなかった。ちなみにキドとは輝度のことである。
さらにSONYにはウオークマンという世界を席巻する画期的商品があった。8ミリビデオカメラもSONYが最初だ。
新機軸・発明・魁(さきがけ)的製品を生み出し続けていたSONYに対し、松下電器は「真似した電器」と揶揄されたほどで、本邦初・世界初といった製品をほとんど生み出していない。

高品質かつ手頃な価格の製品づくりが松下電器の基本で、それが多くの人びとに幸せを与えるというのが松下幸之助の経営哲学だった。事実、松下電器の製品は品質が良く比較的安価で壊れにくかった。だから売れた。
半世紀も前の話だが、当時の三洋電機(現:サンヨー)の電化製品は壊れやすかった。そのため家電量販店で最も値引きが大きかったのが三洋の製品だった。
三洋は松下幸之助の親戚が経営していて、松下の品質検査で不合格になった部品で電化製品を作った。誤解を避けるために書いておくが、松下の品質検査落ちの部品だっただけで、三洋の製品が不良品だったわけではない。松下電器の品質基準が厳しかったということなのだ。
サンヨーのために弁護しておくが、今のサンヨーの家電製品は2流ではない。パナソニックよりも高品質(当家比)になっている。新機軸製品も多い。

ベータマックスは機器の性能ではなく松下の販売手法に敗れたのである。松下は価格を低めに抑え量産した。各地に代理店的なパナショップを展開し電気店主を取り込んだ。これはキリンビール手法だった。それを真似たのである。

ビールといえばキリン。長くその時代が続いた。今はアサヒやサントリーが大きなシェアを持つが、長い間キリンは全シェアの90%以上を占めていた。他社はそのシェアに食い込めなかった。酒店店主をキリンが囲い込んでいたからだ。
量販店が無かった時代の消費者は店主の言い分を参考にした。その店主をキリンはバックマージンや接待、親睦旅行などなど、あらゆる手段で囲い込んでいたのである。店主は当然キリンを客に勧める。それが「ビールはキリン」という伝説を作り上げた。実際は他社と大差ない味だったと思う。(自分舌比)
その神話は今も残っていて、義父は今もキリンしか飲まない。

キリンの独壇場に風穴を空けたのがアサヒだった。酒店に食い込むことよりも直接客にアピールする手法をとった。白黒からカラーになったTVを使った宣伝を展開したのである。
『アサヒスタイニー、あ!』
たった5秒のこのCMがまさに世間をあっ!と言わせた。
容器も従来の細身の小瓶ではなく、ズングリしたデザインの小瓶だったこともあり、視聴者の好奇心を強く刺激した。酒店にスタイニーの問い合わせが殺到したのだ。客あっての小売店。酒店もアサヒビールを扱わざるを得なくなる。かくしてキリンの牙城が崩れていった。
ちなみに『アサヒスタイニー、あ!』の「あ」の後にメッセージが続いていて、スタイニーで一息入るところに「あ」が入ってしまった。それが妙に面白かったのでCMに使ったのが功を奏しビッグヒットになった。

シェアは一度奪われてしまうと取り戻すのが難しい。特に“方式”的な部分で大きなシェアを持つとその牙城はなかなか崩せない。
日本のPCは日本電気(NEC)が魁となったのでNECのPCがシェアをほぼ独占した。アプリケーションソフト制作会社は当然、NEC対応のソフトを作った。MS-DOSよりもWindowsが一般化するまでNECの天下が続いた。プリンターや記録機器もNEC対応製品が多く、後発メーカーはソフトや周辺機器面でもハンデを背負い成長できなかった。機種にかかわらず汎用性のあるOSのWindowsの登場によってようやく一社独占状態が崩れ、機器やソフトの価格も下がった。だが当時の影響は今も残っていて、日本のPCは安いものでも新製品だと15万円以上する。ほぼ同じスペックの僕のHP製のPCは約7万円と半値以下だ。

「悪貨が良貨を駆逐する」というが、売れているから必ずしも良品ということではない。VHSしかりNECしかりである。
スイーツを食べるために早朝から店の前に並ぶ客がいて最後尾は6時間待ちでも客は並ぶ。行列の長さに味や質は反比例するという法則がある。(たかのつめ法則)始業から終業まで休む時間もなくスイーツやお好み焼きやラーメンや丼物を作り続ける者の立場に立ってみることだ。熟練社員ではなく素人同然のバイトやパートの。美味い料理を長時間・何日も作り続けることなどできるはずがないではないか。
ついでに書いておくと「行列のできる法律相談所」の弁護士も当然、行列をさばかなくてはならないから質はよくない。TVで名は売れたが実はないと思ってよろしい。この番組の元相談所員だった橋下を見れば一目瞭然であろう。

独占は企業や権力者を太らせ、行列は庶民を痩せ細らせる。
行列は本来、悲しい現象なのである。貧しい国の人々はいつも買物袋や網の袋を持ち歩く。いつ行列に出会うかも知れないからだ。列の先に何があるか確かめていると遅れをとるからとにかく並ぶ。かつて僕はモンゴルの首都ウランバートルでこの経験がある。列の先に羊肉があったりパンがあったりした。北京で並んだ時は列の先に配給靴や人民服があった。

モノ不足や交通機関の不通、通信機器の不通などで列をなすのが行列なのだが、日本人はスイーツを食べるのに列を作り、売り切れが無くいつどこで買っても同じ確率のジャンボ宝くじに何時間も列を作る。平成の大名行列現象(たかのつめ法則)という。
武士は食わねど高楊枝という。大名行列に並ぶのを少し我慢すると、見えていなかったものが見えてくるのだが・・・。

来年1月からマイナンバー制度が施行される。拒否ができるが拒否はできない。社会生活が円滑にできなくなるからである。日本の公的機関や企業のセキュリティーの甘さを考えると、間違いなく個人情報が底なしに漏れる。政府はコンビニ等で公的書類が受けとれるや、病院間で個人の疾病情報の共有ができ効率的な治療や医療事故の低下につながるといった国民の利点を謳っているが、日本の2千年の常識に照らして、公務員が国民の下僕になった例はない。まずは自分たちの利益、次いで自分の家族の利益、次いで所属する部署の利益の残りを国民に払い下げているにすぎない。
マイナンバーは公務員の仕事を激減させる。極論すればパソコンの情報管理者が数名いればこと足りるのである。役場まで住民票を取りに来る市民が激減するから窓口に二人もいれば足りる。つまり市町村の住民課の職員はほとんど不要になる。だが公務員を削減するという話は出てこない。
「人民の 人民による 人民のため」ではなく「公務員の 公務員による 公務員のため」のマイナンバー制度なのである。

消費税の軽減税率のアホらしさは・・・。
こういうのを書き出すと際限がなくなるの、もうやめる。

関連ブログはコチラです。


コメント
コメントの投稿
Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://blogtakanotume.blog98.fc2.com/tb.php/511-f107dc61
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

▲Page top