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Old Saltyの日々雑感

日々雑感的に思うところを小さなウソと大きな誇張でデフォルメして掲載中!

白酒  




白酒




左が洋河大曲、右が景陽春。酒棚に封印されて5年になる。景陽春は54度。白酒(パイチュウ)の平均的アルコール度数である。洋河大曲も普通は53度なのだが、写真の酒は38度と少し低い。近年、中国も低アルコール度化が進んでいるらしく、これもその流れに沿ったということなのかも知れない。

景陽春は青島で作られた白酒。青島といえばビールの方が有名だから、青島の白酒と聞くと、札幌で芋焼酎を作っているような感じだが、多少雑味が混じるも、白酒独特の癖のある匂いとトロンとした甘い味わいがあって美味しい。
洋河大曲は度数が低いせいか匂いも味も少し軽い。白酒としてはぎりぎり合格点というところだろう。
白酒は独特の強い臭いがある。腐敗臭と言う人もいるがたぶんそれは安物の白酒だ。いずれにせよ、香菜や黒酢がダメという人には苦手な酒かも知れない。

今は改良されていると思うのだが、中国の酒瓶はどれもこれも栓の密封が甘いという欠陥があった。瓶の出来が悪く瓶口が微妙に歪んでいたため、コルク栓でも瓶を横にすると漏れるのである。封を切っていないのに匂っているというのもあった。漏れにくいはずのネジキャップタイプのものも漏れるのだ。だから土産で持ち帰る時は1本づつビニール袋に入れガムテープで厳重に巻き、漏れてもビニール袋の中だけで済むようにしたものだった。

5年前、汾酒(白酒の八大銘酒の一つ)の栓が甘くて蒸発するので炭酸水の瓶に移し替えて冷蔵庫で保管していたら、妻が炭酸水と間違えてゴクゴクと3口ほど飲んでしまい、胸を掻きむしり「なんじゃこりゃぁああ!」と叫んだことがあった。
どういうわけかこれ以降、僕は白酒を封印し飲まなくなったのである。たぶん、妻の形相に恐れをなしたのだと思う。

白酒を初めて飲んだのは40年ほど前になる。内モンゴルのフフホト市で、フフホト大学の教授の家に招かれたときにご馳走になった。中国はまだ慎ましく貧しい時代で、教授は遠来の客を饗すために酒探しに奔走し、友人を頼ってようやく白酒を手に入れてくれたのである。
「最近は美味しい白酒が高くなって、入手も困難になりました」と説明しながら飲ませてくれたのが貴州茅台酒。そしてもう1本あって、それが汾酒。
黒酢や香菜などの中国の匂いにすっかり慣れていた僕は白酒の匂いが気に入り、甘くて深い複雑な味のする酒をとても美味しいと思った。

中国の宴席では文字通り乾杯する。杯を空にして相手に杯の底を見せなければならない。ショットグラスよりも一回りほど大きなグラスに注がれた50度以上の白酒の一気飲みは日本人には辛い。僕は3杯で酔いつぶれてソファに倒れ込んだ。

中国では招かれた先で酔いつぶれるのはマナーが悪いとされるらしいのだが、そういうことを知らなかった僕は、酔いつぶれてソファーに倒れ込みしばし寝込んでしまったのだった。幸い、教授は客が日本人ということで寛大に接してくれたようで、目覚めた僕ににこやかに丁寧に、強い酒の飲み方を伝授してくれたのである。その時初めて、酒が異なると飲み方も異なる事を知ったのだった。中国人と日本人の酒の飲み方は違うのである。おかげで僕は、酒が弱いにもかかわらず、2~3杯の白酒なら飲んでもダウンしなくなったのである。

酔うのはいいが、泥酔はみっともない。昔はよく男友達や女友達と飲み歩いたものだが、相手が男だと泥酔しても道端に放って帰れば済むが、女の場合はそうはいかないので困ったものだった。泥酔した女はすでに女を放棄しているから、厄介なだけのみっともない肉の塊でしかない。そんな肉の塊を抱きかかえて歩くなど真っ当な酒飲みの美学に反するわけで、夜の町角に立って途方に暮れたことが何度かあった。大抵は、近くの交番に「道路で寝ていたので危ないので連れてきました。ええ、アカの他人です」と放り込んだものだ。

先日、友人のヨットで宴会をした時のこと。ふだんあまり酒を飲まない妻が友人と酒を飲み始め、またたく間に2本のワインを空けてしまった。友人はダウンしたのに妻はまったく変わりなし。結婚して20年になるが、このとき初めて妻が酒に強いことを知った。
僕は酒好きだがあまり強くないので、せいぜい夫婦でワイン1本程度だったのだ。妻は酒豪だったのだ。これまでの僕との酒は彼女には唇を湿らす程度のものだったのだろう。長い間僕は妻の楽しみを奪ってきたわけで、申し訳なくて酔いつぶれて寝てしまいたいと思ったのだった。

ということは、あれは、炭酸水の瓶に入った白酒を飲んで叫んだ妻のことだが、よく冷えた白酒のあまりの美味しさに感動した雄叫びだったのかも知れない。だったら、僕はもう、白酒を解禁してもいいかと思っているのだが・・・。


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