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Old Saltyの日々雑感

日々雑感的に思うところを小さなウソと大きな誇張でデフォルメして掲載中!

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酒と海苔と猫  




酒と海苔と猫


スーパーで食材を買っているところに、次女から「カスヤのオジサンからスルメを貰った」と電話が入った。オジサンにお礼の電話をすると「よう分からん真っ白なスルメだ」と言う。帰宅して現物を見ると、普通のスルメだった。大振りのケンサキを開いたもので、綺麗に皮を剥がしていたので真っ白なスルメになっていたにすぎない。1枚だけと言っていたが、たしかに1枚だけだった。真っ白なスルメを口実に顔を見に来てくれたのだと思う。

カスヤのオジサンの名は富蔵という。苔むすような古風な名なのは、創業明治37年という老舗の海苔屋の社長だからだ。社長との出会いはヨット。近くの漁港に彼たちのヨット(3人の共同オーナー艇)が係留してあって、あるときヨットの船上に彼らの姿を見かけたので「ちょっとお邪魔していい?」と声を掛けたのが始まりだった。
その数日後に玄関チャイムが鳴るので出てみると彼がいて、「お近づきの印に」と海苔を届けてくれたのである、300枚も。海苔巻き用サイズを300枚も。しかも、あと2週間で賞味期限を迎えるヤツを・・・。

これが、西三河に越してきて、初めて友人ができた瞬間だった。いや、友人にしていただいたといった方が正しい。なにしろ彼は創業明治37年の老舗海苔店の社長、地元の名士である。そんな立派な社長様の友人の末席に加えていただいたおかげで、見知らぬこの地で他の友人もできて行ったのである。
スルメの件で、以前に書いたオジサンの文章を思い出したの再掲したいと思う。

先日、用があって彼の店に行った時に『富蔵』という名の酒を見せられた。この酒の蔵元の初代の名前が富蔵らしくて、その名を冠にした酒らしいのである。そんな命名は、ものすごい自信作か、自己顕示欲が強いだけかのどちらかだと思うのだが、海苔屋の富蔵さんは『富蔵』の封を切ってくれなかったから自信作か顕示欲だったかの区別はつかず仕舞いだった。

純米吟醸『富蔵』の一升瓶を横目で眺め、僕がご馳走になったのはアイスコーヒー。
「おーい、早く出してよぉ」という富蔵氏に、
「グラスを探しにいってたの」と返事したのが店長。(富蔵氏の嫁)
そしてなぜか、テーブルに僕の分だけアイスコーヒーが置かれたのだった。小雪が舞い散る12月21日の底冷えのする海苔屋の事務所の応接室で・・・。

グラスを探すということは、海苔店の接客用飲み物はすでに夏物から冬物に変わっていたのである。僕は特段アイスコーヒーが好きというわけでもないし、何がなんでもアイスコーヒーが飲みたいとダダをこねたわけでもない。なのに、どうしてグラスを探してまでしてアイスコーヒーを出してきたのか。
思い当たる理由は一つ、冷蔵庫にペットボトルのブレンディ無糖のアイスコーヒーが1杯分だけ残っていたのだと思う。そろそろ処分かなと思っていたところに、海苔屋の嫁には運の良いことに、客の僕は運悪く来てしまったのである。運というのはこういう風に対極的に存在するものなのだ。

かくして、富蔵さんの『富蔵』講釈を聞きながら、小雪が舞い散る12月21日の底冷えのする海苔屋の事務所で10月末から延々と冷やされ続けてきたアイスコーヒーをいただいたのだった。せめて、砂糖シロップぐらいは付けて欲しかった。

彼にはケンちゃんという次男がいる。その次男と『富蔵』を買いに行ったらしいのだ。ケンちゃんは鋭い切れ味を持っていて、その鋭さをほんわかとした雰囲気で包んでいる好青年なのである。ネット検索が苦手な親父に代わって酒の販売元を詳細に調べあげ、富蔵をミニクーパーの助手席に乗せ『富蔵』を買いに遠路はるばる車を走らせたのである。ちなみにケンちゃんのミニクーパーのナンバープレートのナンバーは「3298」である。「・・32」はよく見かけるが「3298」は滅多にないというのが自慢なのだそうだ。さよか。
その自慢の愛車で勇躍出かけて店に着いてみると定休日。アホちゃう?
「お前なあ、どうせなら休日も調べとけよ」と富蔵氏。
「普通、酒屋が日曜日を定休にするか」とケンちゃん。
あのな、ケンちゃん。カナダの酒屋は普通に土日休みやで。

次男に頼り切った親父と、自分ちの海苔屋は日曜も営業だから、世界中の酒屋も日曜営業と思い込んでいた息子。どっちもどっちだが、仕切り直してようやく買った『富蔵』なのである。

小雪が舞い散る12月21日の底冷えのする海苔屋の事務所で飲んだアイスコーヒーで身体が冷え切ってしまったので、帰宅して激辛ラーメン『辛』を作って食べた。今回はザーサイをトッピングしてみた。卵も一つ落とした。昨日の餅入も美味しかったのだが、今日のザーサイ入りもまた美味かった。
激辛ラーメンで身体が温まったので、いよいよ今日の主役のポンズの登場である。

いつものように身体を仰け反らせ伸びきって寝ている。眠っているそばで音を立てようとドカドカ歩こうと、薄目すら開けず耳をピクリとも動かさない。危害を受ける心配がないと確信して眠っているのだ。外出自由の外猫だが家庭と社会の区別がついているものとみえる。そんな、神経の全てを弛緩させて眠っている姿を見ていると、ちょっと幸せな気分にさせられたりする。

わが家には妻もいるのだが、妻もポンズ程度には家庭と社会の区別がつくため、神経の全てを弛緩させて大イビキで眠るのである。むろん、ちょっとつつく程度では薄目すら開けず耳をピクリとも動かさない。そんな妻の寝顔を見ていると、ちょっと幸せな気分、にはならなくて、ちょっと危害を加えたくなってしまうのである。蹴飛ばすといったような・・・。

ポンズは穏やかな性格で、どう扱っても噛んだり爪を立てたりすることがない。犬的なところがあって名前を呼ぶと、尻尾こそ振らないが必ず返事をする。50m四方のどこかに居るときは名前を呼ぶと戻ってくる。50m~100m以内だと皿をスプーンで叩いて合図すると、猫のくせに脱兎のごとく戻ってくる。朝だけ缶詰の餌をやっているので、そのご馳走に有りつけると思ってのことなのだ。100m以上の遠出の時は皿を叩いても戻ってこないから、やつの動物としての能力の限界はその辺りにあると思われる。

ポンズは、ドアというドアを開けまくる癖がある。わが家は安普請なので建て付けが悪いのだが、おかまいなしに力まかせに開けまくるのである。右手で左から右に引くことしかできないらしく、襖や障子に向かって左側の方を開けるのである。で、戻ってくる時は出て行った所ではなく、逆の方を開けて入ってくるのだ。開けるのは得意なくせに何度言っても閉めることができない。そういうのを見ていると、猫というのはつくづくアホな生き物だと思ってしまうのだ。

妻も似たところがあって、建て付けの悪い戸を力まかせに開けるのである。そして、台所の方から出て行って玄関の方から入ってくるのだ。猫と違い閉めるのは閉めるのだが、加減というものを知らないからビシャ!と閉めるため反動で5センチぐらいは開いてしまうのだ。また、妻は猫と違うのでポンズよりも特技が多くて足技も得意なのである。キッチンで履いたスリッパを2階の寝室で脱いで素足で降りてきて、2足目を履いて今度は子供部屋で脱いでくるといった芸当ができるのだ。ところが逆の、素足で行って履いて戻ることができないのである。だから戸を閉めたりスリッパを集めるのは僕の仕事になってしまうのだ。わが家の妻という生き物ははつくづく・・・。

ということで、わが家の襖や障子が15センチほど開いているときはポンズ、5センチだと妻の仕業だと区別できるのだ。ポンズは犬と違い猫なので、スリッパを咥えて2階にあがることはないし、A型の僕は真似たくても真似られない所作なので、来客の皆さん、もしわが家の、妙な所にスリッパが転がっていたら妻の仕業だと思ってください。


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