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Old Saltの日々雑感

日々雑感的に思うところを小さなウソと大きな誇張でデフォルメして掲載中!

新米は土鍋で  




新米は土鍋で


新米を食べました。
恵まれたことに、妻の実家は専業農家なので稲刈りの翌日には新米を食べることができるのです。
写真では上手に撮りきれておりませんが、強火で一気に炊き上げたので米粒が立っていて、真っ白な炊き上がりなのです。

刈ってすぐじゃないのって?
それは無理なのです。刈りたての籾は30%以上の水分が含まれています。それを14.5%(理想の水分)ぐらいまで乾燥させて初めて完成なのです。稲を刈った時の水分含有率にもよりますが、機械乾燥で8時間~12時間ほどかかります。だから最速でも翌日なのですね。
妻の実家は農業オペレーターという、人手不足で田の維持管理ができなくなった地主から田を預かり、管理から収穫、JAへの納入、地主の自家米の預かりまでの全てを請けている専業農家なので、ダンプ2杯分の籾が乾燥できる大型乾燥機が3基もあります。
この乾燥機や業務用の籾摺り機や精米機があればこそ、刈り取りの翌日に新米を食べることができるのです。

この、“翌日の新米”は袋詰めされて店頭で売られている新米とちょっと違います。同じ真っ白に炊き上がっても白さが違うのです。それと香り。新米の馥郁たる香りがいたします。米は精米して一週間も経つと一気に風味が色褪せていきます。スーパーの店頭に並ぶ新米は日にちが経っていますから写真の翌日の新米とは新米度が大きく違うのです。

稲刈り翌日の特上の新米に毎年舌鼓を打っているわけですが、年に一度のこの日こそ、百姓の娘と結婚して良かったとつくづく思う日でもあるのですね。残りの364日はといいますと、ここだけの話にしておいていただきたいのですが、つくづくとかしみじみという形容を省いた、単に、結婚して良かったのだろうな、他に選択の道は無かったんだろうなと思う日々なのであります。

ま、とにかく、そんな新米は土鍋で炊く。これが最上の炊き方だと思います。土鍋で炊けば普通の米でもかなり美味しく炊き上がります。わが家は固めのご飯が好きなので水を少なめに炊きますが、強火で一気に炊き上げると、米のネバが一粒一粒をコーティングして旨みを閉じ込め、固いようで柔らかい絶妙の素晴らしい炊き上がりになります。普通の米ですらこれ、昨日収穫したばかりの新米なら・・・♪

鍋の蓋を開けると米粒が立っているのは炊飯中に米が暴れている証拠です。暴れて米の糖分と米粒どうしが擦れた粉が水に溶けて熱せられてネバになります。そのネバが米粒をコーティングし潤滑の役割をしてそれ以上の米の痛みを保護するのです。“始めちょろちょろ中ぱっぱ”の“ぱっぱ”がそれです。コーティングは粒を守り旨味のネバで米の旨味も閉じ込めてくれます。強火で一気に暴れさせてこそ米は生命が吹き込まれるのですね。

写真の土鍋は中蓋付きの三合炊きです。この中蓋が曲者です。吹き零れを防ぐだけでなく、外蓋との間に熱い湯気を循環させることになり、下からだけでなく上からも高熱を加える効果があるのです。下から上から責められて、アチチッチと米が立つのであります。まるで実際に見てきたような書き方をしておりますが、僕は科学者ですから論理的にイメージを膨らませると土鍋の中の米粒の生態が見えてくるのです。

この土鍋、ン万円の高級品ではありません。著名な陶芸家の手になる土鍋ではないということですね。著名な陶芸家というのは、寝食を忘れて作品作りに没頭するのを常とします。毎夜祇園のスナックで飲み潰れる坊主が生臭であるように、三度三度の寝食を忘れない陶芸家はニセモノです。

ひとかたまり数百円の土塊(つちくれ)をン万円もする土鍋に変えてしまう錬金術師、自称ホンモノ陶芸家は寝食を忘れて作品作りに没頭します。寝食を忘れているのですよ。“寝”を忘れるのはいいです。本人の自由です。でも“食”を忘れてもらっては困ります。食を知らずして、美味い米の何たるか、美味しい米はどうすれば炊けるかが分かるはずがないと、そう思いませんか?
著名な陶芸家が作る土鍋は芸術的ではあっても美味しいご飯は炊けないのです。料理を盛る器や皿ならともかく、土鍋などの調理器具は芸術的陶芸家の専門外だと思うべしなのですね。

世の中にはこんな簡単な理屈が分からなくて、ン万円もする土鍋を買って喜んでいる人が多いようでありますね。バカですねー。ついでに書けば、ル・クルーゼで湯を沸かしてレトルトパックの芋の煮っ転がしを暖めている奥さんの「鍋が汚れなくていいから」という発想はすごいですねー。アホを超越しております。



写真の土鍋の値段は定価でも2千円ほど。特価だと980円。とても良心的な値段ではないでしょうか。一家に一台の必需品でありましょうね。わが家には3合炊きと5合炊きの2つの土鍋がございます。





新米がメインなのでご飯と喧嘩をしないようにおかずは質素にしました。味も薄め。乾し海老と茄子の煮付けと豚バラ肉と白菜の味噌煮。熱々を食べたくて写真を撮りませんでしたが、薄く衣をまとわせたレンコンと茄子とさつま芋の天ぷらも添えました。

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